群馬大学医学部附属病院は、特定機能病院、がん診療連携拠点病院のみならず、救命救急センター、脳卒中・心臓病等総合支援センター、アレルギー疾患医療拠点病院、難病指定医療機関、エイズ治療中核拠点病院、都道府県肝疾患診療連携拠点病院、第一種感染症指定医療機関、認知症疾患医療センター、リハビリテーション部、周産期母子医療センターなどがあります。加えて、群馬県地域災害拠点病院であり、本地域における中心的立場の実績があると自負しております。それら認定施設としての役割において、様々な診療科および分野のプロフェッショナルが綿密に連携し、診療機能の強化に取り組んでおりますが、内科診療センターは多くの役割を担っております。内科分野での相互連携はもちろん、例えば高度の外科手術やハイリスク出産などでも、内科分野の強力なバックアップ体制がしっかりしていることが病院の体制として求められております。
本センターは、医学科学生と次世代を担う初期研修医・内科専攻医、サブスペシャリティー領域専門医を目指す医師など若手医師の皆さんの成長と発展を支援します。特に内科専攻医の教育においては、群大病院を基幹施設として「群馬大学内科専門医プログラム」を作成しており、内科基本コース、サブスペ重点コース、大学院コース、地域医療重点コースの4つコースがあります。専攻医一人一人と相談し、診療科ローテーションを決めるなど細かな配慮をしております。日本内科学会雑誌の広報では、冒頭に「内科はひとつ」と書かれています。国も総合的に診断・診察できる医師の養成を目指しておりますので、専門しか見られない医師ばかりでなく、広い知識・診療ができるような工夫もしております。
全国的に見れば医師数は増加しており、5年10年の間に医師過剰となる地域も多く存在します。一方、群馬県は医師不足の状況は変わらないという想定です(厚生労働省 医療従事者の需給に関する検討会データ)。逆に言えば、若い先生の活躍の場が広くあるということです。また世界的に見ても、内科系疾患の増加が叫ばれておりますので、社会からの要請は大きいです。若い先生方にはこれらのことも是非お伝えしていかなければなりません。
本邦の状況を見た際に、超高齢社会の進行には疾病構造の変化とともに、それに対応する変革が必要になっています。今後の医療を考えますと情報通信技術 (Information and Communication Technology: ICT) の活用し、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation:DX)すなわちデジタル変革をおこなっていくことが重要になると思います。目覚ましいスピードで人工知能(Artificial Intelligence:AI)が発達しておりますが、これらの活用についても内科診療センターでは検討していきたいと思います。今後、システムを実装するには、若い先生方や近隣の先生方にご協力を借りなければできないことと思いますので、興味ある先生は是非お仲間になっていただきたいと思います。
内科診療はご承知おきのように極めて重要な分野となっております。我々に温かいご支援とご指導をよろしくお願い申し上げます。
2025年4月
内科診療センター センター長
石井 秀樹